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最初の朝鮮通信使 李藝

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日本と韓国の、長い歴史に埋もれていた一人の外交官李藝
今、600年の時を越えて、その息吹が伝わるー

今から約600年前、朝鮮半島から命がけの航海で、43年間に40数回も来日した外交官がいた。名は李藝(りげい韓国語読み イ・イェ)。
地方の小役人だった李藝は、世宗(セジョン)大王の信頼厚い外交官となり、室町幕府・足利将軍に謁見するまで京都まで出向いた。
しかし李藝には、8歳の頃母を倭寇に拉致されるという悲しい過去があった。
少年の心に強く芽生えたであろう憎しみの情を、どのように友愛の情に変えて日朝の友好に人生をかけたのか…。

日韓関係の新たな時代に光を投じる渾身のドキュメンタリー!

韓国人俳優ユン・テヨンが、韓流ドラマやK-POPが席巻する今日の日本で、かすかに残された李藝の軌跡をたどり、釡山から京都までを旅する。驚くべきことに、今はさびれた瀬戸内の小さな港町には、朝鮮通信使をもてなした交流の歴史が、現在もなお大切に残されているのだった…。

同じ頃、駐日韓国大使館主催、朝鮮通信使の軌跡を辿るSNSリポーターの旅に参加した日本の大学生たちは、韓国で、知らなかった日韓の歴史に触れる。日本と韓国、たくさんの共通点もあれば、避けられない問題も…。新しい世代の若者たちは、どう乗り越えていくのだろうか―?

旅を通して見えてきたのは、いつの時代も変わらない、目の前の相手と心を通わせたいと願う人々の姿…。
日本人と韓国人が共に前へ進むために、今だからこそ挑む、渾身のドキュメンタリー。

「自分のために生きていくだけで精一杯の現代で、一介の俳優にすぎない私が、韓日のために何ができるのか…。今、韓国に大きな関心を寄せてくれている日本の方々に、韓日のもう一つの歴史の事実を伝えたい。これこそ、韓日交流のために今自分ができることだと信じて―。」 
俳優 ユン・テヨン

About Lee Ye李藝とは

イ・イェ 日本語読みは「り げい」1373年生~1445年没

朝鮮王朝前期の官人、外交官。
もと蔚山(ウルサン)郡の役人で、足利将軍との交渉と倭寇対策などの功績があり、世宗大王の信頼厚く高い官職を歴任。
8歳の時に母が倭寇に連れ去られ、生涯を通じ捜す。
通信使・回礼使などで京都(4回)・対馬・壱岐・九州・琉球へ使行すること40数回。
倭寇により日本に連れ去られた母国人を667名送還する。
1438年に対馬島主との間で締結した文引制度(日本から朝鮮へ通交するものへ文引・ビザを発行すること)と癸亥約条(一種の貿易条約)などを締結。江戸時代の朝鮮通信使のさきがけとして、中世日朝外交史上注目される。

近年改めて李藝の功績が注目され、韓国政府より2005年「文化人物」、2010年「外交人物」に選定された。日本では、2005年に李藝を顕彰する「通信使李芸功績碑」が長崎県対馬市峯町の円通寺に完成した。

画:王子江

About Joseon Missons to Japan朝鮮通信使とは

日本へ派遣された朝鮮王朝の使節。
1375年、室町将軍足利義満からの使者と国書に対する返礼として、朝鮮から信(よしみ)を通(かわ)す使者として派遣されたのが始まり。
15世紀半ばからしばらく途絶えて、安土桃山時代に豊臣秀吉が朝鮮に出兵するか否かを確認するため、秀吉に向けても派遣された。
その後の文禄・慶長の役によって日朝間が国交断絶となったために中断された。
その後、江戸幕府が国交回復のために通信使の派遣を打診したことで、1607年に再開された。
一般に朝鮮通信使とは江戸時代以降のものを指すことが多いが、室町時代から江戸時代にかけてのもの全部を指すのが正しい。

CASTキャスト

ナビゲーターユン・テヨン

1974年10月9日ソウル生まれ。身長185cm 体重79kg。
米イリノイ・ウェスリオン大学経営学科卒業。

実業家の父と同じ道を進むべくアメリカ留学までしたが、俳優になる夢をあきらめきれず、家族の反対を押し切って芸能界入り。酷烈な無名時代を過ごし、1997年のSBSドラマ『美しい彼女』で、主人公イ・ビョンホンが対戦するボクシング選手役で俳優デビュー。
1999年のMBCドラマ『ワンチョ(親分)』のメンバル役で名が知られるようになり、第36回白象芸術大賞新人演技賞を受賞。2007年のMBSドラマ『太王四神記』では、ペ・ヨンジュンが演じる主人公タムドクと敵対するヨン・ホゲ役を好演、痛みと闇を抱いた英雄の姿を見せる役どころで、日本でも人気に火がつく。2011年のMBCドラマ『深夜病院』では、格闘技選手役のために12㎏の減量をして臨んだ。

プライベートでは、2007年に結婚したタレント・女優のイム・ユジンとの間に3人子どもがいる。

出演作品

ドラマ
  • 1997年:美しい彼女(SBC)
  • 1999年:ワンチョ(MBC)
  • 2001年:その女の家(MBC)ホテリアー(MBC)
  • 2002年:偶然、毎日君と、明朗少女成功期(MBC)
  • 2003年:真珠のネックレス(KBS)
  • 2005年:あの青い草原の上に(KBS)
  • 2006年:特殊捜査日誌 -1号館事件-(KBS)主演
  • 2007年:太王四神記(MBC)ヨン・ホゲ役
  • 2009年:ストライク・ラブ(MBC)主演
  • 2011年:深夜病院(MBC)主演
映画
  • 2001年:天士夢(HEAVEN ヘブン)
  • 2005年:おまえを逮捕する
  • 2005年:ミスターソクラテス
受賞歴
  • 1999年:MBC演技大賞新人俳優賞(ワンチョ)
  • 2000年:第36回白象芸術大賞新人演技賞(ワンチョ)
  • 2002年:第38回白象芸術大賞人気賞
  • 2011年:MBCドラマ大賞特別賞(深夜病院)

ナレーター小宮 悦子(フリーキャスター)

1981年にテレビ朝日入社。1985年10月スタートの『ニュースステーション』でサブキャスターを13年間務め、久米宏とのコンビで視聴者の支持を集める。
その後、「スーパーJチャンネル」のメインキャスターとなり、夕方2時間のニュース番組を最初に手がけた女性キャスターとして、高視聴率を達成。12年間夕方ニュースのトップを走り続けてきたが、また新たな挑戦をするため2010年に卒業。常に新しい形の報道番組に女性キャスターとして挑戦し続けている。

STAFFスタッフ

監督乾 弘明

86年「ニュースステーション」(テレビ朝日)で、ディレクターになる。その後、主にドキュメンタリー番組を経て「素敵な宇宙船地球号」
(テレビ朝日)など自然生態、環境問題、水中番組では専門家の間では高い評価を得ている。
2010年より「池上彰の学べるニュース」プロデューサー。
ドキュメンタリー映画「平成職人の挑戦」では2005年文化庁文化記録映画優秀賞受賞。文部科学省特別選定。
「蘇る玉虫厨子」では映文連アワード2008ソーシャルコミュニケーション部門優秀賞授賞。
文部科学省選定作品。